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フロント会計 [ こう変わる! ]
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フロントスタッフに余裕ができたストーリー
秋の行楽シーズンも終盤を迎えて、スタッフは疲れきっていた。チェックアウトは遅くなり、チェックインは早くなる傾向にあり、これまでは中抜けといえば、締め作業が完了する12時ころから3時ころであったのが、最近では、ほとんど一般企業の昼の休憩時間と変わらなくなっていた。さらにパブリックは売上確保のために深夜まで営業するのに加え、最近リストラの影響で、ますますフロントスタッフは長時間労働を強いられている。 専務は、この状況を打開する方法を模索していた。接客サービス向上のために営業時間を短縮することはできない。合理化できそうな作業を分析してみると、最も時間のかかっている作業は、チェックアウトが完了したあとの締めの作業であることが判明した。
チェックアウトが完了するとフロント会計スタッフは請求領収書の控えを番号順に並べてから、営業日報に転記する。その際に請求領収書の明細を確認しながら売上科目ごとに振り分けて記載しなければならない。ベテランのスタッフでもかなり時間のかかる作業である。転記が完了すると科目別の合計を電卓で計算して記入する。入金の科目も同様で、現金、売掛金、クレジットカード、クーポンなどに分けて記入したあと、合計を計算して記入する。請求領収書の発行に利用している会計機ではある程度の科目別集計ができるようになっているものの、管理する科目と財務会計の科目は異なっているために集計作業が必要になっている。営業日報が完成すると、現金やクーポンの有り高を確認する。ここまででフロントスタッフの作業は終わり、営業日誌と請求領収書の控え、現金とクーポンを持って経理に引き継ぐ。経理担当者は受け取った営業日誌を見ながら会計伝票を起票する。起票が終わると市販パッケージの会計ソフトを起動して伝票入力を行う。このような流れであった。
新しいコンピュータシステムを導入するのと同時に業務の流れを見直して半年ほどが経過していた。相変わらずコンピュータシステムの入れ替えにはエネルギーが必要であると実感していた。専務はチェックインもあと数名で終わるあたりからスタッフの動きに注目していた。10時を過ぎたころに最後のお客様がチェックアウトしていった。そのお客様の処理が完了したところで、おもむろにフロント会計係は日計表のボタンを押した。以前には転記して集計していた表が、現場用の科目集計がなされた状態でワンタッチで印刷される。売上合計、入金合計と現金有り高をチェックすると、今度は会計データ作成と称する操作である。その後、市販の財務会計パッケージソフトを起動すると「会計データの受入」を実行した。次に「伝票の印刷」を行うと経理スタッフが起票するはずの会計伝票が印刷されてきた。コンピュータの日付だけ更新すると、フロント会計スタッフは日計表、請求領収書の控え、現金とクーポン、印刷された会計伝票を経理に渡して休憩を取るために部屋を出て行った。このコンピュータシステムはバッチ更新処理が無いのである。
専務が時計を見ると10時半前であった。以前にくらべ1時間半の時間短縮がなされ、さらに経理の仕事まで完了している。 接客サービスの時間帯を変えずにフロントスタッフの休憩時間が確保できたおかげで、チェックインの際の応対も明るくなってきた。専務は経理の仕事もかなり軽減されたので接客を強化できる体制に組織を変更しようと考えていた。

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