オーナーインタビュー
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弊社のホテル・旅館総合情報システム「ストーリーホテル・ストーリー旅館」を活用されているオーナー様のインタビューをご紹介いたします。


第10回 あさやホテル 販売促進部部長 神山芳美様



あさやホテル様HP
御社では以前からIT化を推進され、ほとんど一人一台のパソコン保有の環境となっていますが、その目的と期待した結果についてお聞かせ願います。
部長 : 今年は新入社員が18名入り残念ながら一人一台とは言えないんですが、全員がPCをもつ理由は「情報の共有化」と「対応スピードを上げる」ことが目的ですね。情報を共通することでよりお客様を待たせることなく適切なサービスを迅速に行うことが出来ていると思いますね。
質問 : 具体的にはどのような点でしょうか?
部長 : 旅館を利用する人の約7割は何か目的を持って予約をしていますよね。「誕生日」や「定年のお祝い」ですとか、利用する方の目的を知ることで迅速な対応をすることが出来るんですね。お誕生日で来られたお客様に対し、夕食時のお祝いのケーキなどをご用意するといった様な、ちょっとしたサービスをすることでお客様に喜んで頂くことが出来ます。
質問 : 目的情報はどのように得ていますか?また、その情報共有はどのようにされていますか?
部長 : 予約担当が予約時に必ずお客様に確認して、システムへ入力をしています。AGT経由のお客様についてもAGTに目的を聞いてもらうようにしています。社員の出勤時間もバラバラなため、全体の意思疎通ということが難しい職場ですから、グループウェアを利用して、朝礼・夕礼の内容を掲示板に挙げ、共通認識出来るようにしています。情報をオープンにすることで、スタッフのモチベーションも上がり、客室係りからも『こんな情報があればもっと良いサービスができる』といった様な声が上がっていますね。
時代の流れとしてリピーター確保も大切ではありますが、御社の規模からすると団体客様も無視できないと思います。営業戦略として団体客・個人客へどの様なアプローチをされていますか?
部長 : 以前は団体が60%だったんですが、現状は団体が35%、個人が65%の割合になりました。しかしながら、団体は消費単価が高く無視出来ないんです。団体客は来る時期がある程度決まっていますから、キャンセルになってしまった団体についても訪問するようにしていますね。Escort*に保存されているデータをCSV出力し、人数、時期、地区、AGT別で分析をして団体を訪問しています。団体客はAGT経由の場合が多いんですけれども、AGTの担当者に事前に了承を頂いて、来館された団体客様に営業担当者がお礼の訪問をしています。
個人やグループなどのお客様へは、タイムリーな情報提供がキーポイントだと思いますね。オフィシャルホームページの強化も必要だと思うんですけれども、それを見て、たぶんそこからAGTの所へ行って、それで最終的に決めるとか、そういったこともかなりあるんではないかと思います。
今本屋さんに行ってもいろんな情報誌があるじゃないですか。やっぱり皆さんそういうのを見て、目に留まったところをホームページで見る。そうすると「あぁ、吹き抜けもあって良さそうだわ」というような話になるんじゃないんですか。そういうのがあって、じゃあJTBあたりへ行って聞いてみると「あぁ、ここはお勧めの宿ですよ」と言われれば、おそらくそれで決めてしまうんですよね。
本当に細かいお客様は、料金的なことに対しても非常に突いてくるんですよね。そうすると、同じ秀峰館というところに泊まって、食事がビュッフェだったらこれが一番安いとかね。そういうところまでお客様は見ていますよね。最終的に一番安い企画の方に飛びついてくるとかね。今ほとんどそういう風になってきているんじゃないですかね。
コマのお客様へのアプローチっていうとAGTさんやネット経由はもちろんですけれども、雑誌とかメディア関係はどうされていますか?
部長 : そちらの方へも一応出してはいます。年間の予算を組んでありますから、予算の範囲内で。やっぱりそれもある程度データがありまして、何月号にそういうものを掲載したらいいかとか。そういったことも販売促進課の方で、あと私どもも一緒に入って、じゃあ何月にそういうのを出そうだとか。そういった時期的なものもありますからね。
直接的なDMやメールですとか、そういったアプローチはありますでしょうか?
部長 : うちは1回にDMを3万通くらい出すんですよ。実はおととい、正確に言うと2万9,900通出したんですよ。これもやっぱり基本になっているのは、Escort*のデータですね。お客様っていうのは属性とか嗜好とか、いろいろそういったものがあるじゃないですか。そういう組み合わせでのデータ抽出がうちは出来るじゃないですか。例えば、商品の中で「二人だけの○○」の企画とか、それに合ったお客様を抽出するようにしているんですね。
単純にただ出しているわけじゃないんですよ。あとは、地域を絞っていますから。これは例えば、九州あたりから来ているお客様に、DMなんか出してもなかなか来ていただくことは難しいですよね。そういうお客様には大変申し訳ないんだけれども、やっぱりDMっていうのはどうしても即効性を求められちゃうんですよね。だから関東・首都圏、この辺あたりに一応絞っています。そういう絞り出しも出来ますからね。そうするとだいたい3万通くらいかな。
直通のバスが出来て何年か経ちますよね。それと、今は新宿から直接鬼怒川に来られますよね。
部長 : ちょうど一昨年ですかね、3月18日にJRと東部鉄道が相互乗り入れになりまして、新宿発池袋や大宮ですよね、大宮はすごい市場のあるところですからね。東部鉄道が走っている所と、JRが走っている所で栗橋っていうところがあるんですよ。これは埼玉県と茨城県と栃木県の県境なんですけれども、そこで乗り入れが可能になって、JRの電車が東部の方に入ってこれるようになったんです。その影響は結構ありましたね。今までですと東京からのお客様っていうのは、俗に言う浅草あたりを中心とした下町ですよね、江東区だとか、足立の方がほとんど主流だったんですね、今でも主流ですが。で、残念ながら客層がいい世田谷だとか、杉並、中野の方は、今までは小田急線があるんで、どうしても圧倒的に箱根の方の売上が良かったわけですよね。でもそちらの方からもお客様が来るようになりましたから、確かにそういった影響もありますね。
Escort*の中に交通手段っていうのがあるじゃないですか、車だとか電車だとか。残念ながら、まだまだそこまでの分析っていうのは出来ていないんですよ。ただこれは勘なんですけれども、夏になるとほとんどマイカー、冬場になると、どうしてもこちらの方は雪が降るっていうイメージがあるので、電車で来られますね。そういうように月によって若干違うんですが、どちらかというとマイカーが多いんだと思いますね。今年は2-3ヶ月前から非常に原油高になってしまって、ガソリンの高騰でマイカーが高速道路で少なくなっているという報告を受けています。そうなると、東武鉄道というのは非常に安いんですよね。私鉄はJRよりもずっと安いんです。そういう面では、よく私も東京へ行くんですけれども、東京の人から見ると、日光鬼怒川温泉は安くて、アクセスはものすごくいいんじゃないかって、そういう風によく言われますけどもね。
お客様っていうのはホテル代だけじゃなくて、交通費も含めて「今回の旅行はいくら」っていう話をされるじゃないですか。ですからやっぱり交通費がどうしても高額になってくると、旅館は近場のところにしようかとか、そういう気持ちになりますよね。ですからこれからしばらくは、こういう近場をターゲットにしたようなセールスをしたほうが方向的には間違いないと思いますね。
今回インターネットダイレクト予約の画面変更を行いますが、インターネットからの予約についての考え方と、今後の方向性についてお聞かせください。
部長 : 間違いなく言えるのは、平日を中心とした旅行の需要っていうのは中高年層の方が圧倒的に多くなると思うんですね。例えば今までですと、紙媒体に代わるような広告手段としてやってきたと思うんですけれども、電話予約ですと、お客様はいろいろなことを言ってきて、業務が煩雑になるんですね。 ですからそういうものをより効率的に、正確な予約とらなくちゃいけないだろうと。それと24時間予約可能なシステムっていうのが第一番だと思うんですよね。そういう需要関係に対して、今やっているインターネットからの予約っていうのは、今後ますます重要性が高まっていくと確信しています。そういうことも含めて今回リニューアルをするにあたって、先ほど言ったことと重複してしまうんですけれど、やはりきっかけっていうのは自社のオフィシャルホームページをお客様が見てですね、そこから判断されると思うんですよね。その重要性っていうのが非常にあるんで、そこを強化しなくちゃいけないんで、7月にリニューアルを図るということになったんですね。今うちの販売促進課でも考えているのが、いろんな情報提供のためのデザインとか、ツールとか、そういったものをもっともっと、中高年層の方が多くなってくるわけですから、解り易く、簡単に入り込めるようなもの提供をすることが重要だろうと。まぁ当たり前なんですけれどもね。そういうことで制作に入っています。 今後のインターネットからの予約の方向性としては、インバウンドの属性もこれからは視野に入れていかなくちゃいけないかな、ということがうちの課題です。 質問 : インターネットダイレクト予約は料金の調整が自由に出来ますが、そのあたりは調整されていますでしょうか? 部長 : しています。お客様の動向を逃さず予約に繋げられますからね。こういういろんなメリットもありますし、あと今は非常に企画が多いじゃないですか?だから現場の人間が一番大変なんですよね。でも、ダイレクトでやっていただくと、受け違いがまず少ない。あとは予約が入ってきて受信された後に部屋が決まるじゃないですか?だから瞬時に残室の管理もできるっていうことですね。これが拙速にもつながっているなと思います。 質問 : 操作される料金というのは休日・平日どちらが多いですか? 部長 : 平日ですよね。我々の業界も一年間通じてラックレートで売れれば一番いいんだけれど、やっぱりどうしても甘い時になっちゃうと、そういうときはスペシャルコントロールして料金を1,000円か1,500円くらい下げるとか。それをやりたくない時は、何とかいろんなものをくっつけてしまって、「これで…」っていうようなことをやっていますけれどもね。 質問 : 以前より平日休みのお客様は増えているのではないかと思うんですが? 部長 : 平日は、やっぱりリタイアされた方が非常に多いですよね。団塊の世代以上の方が非常に多いですね。でも、たぶん私が見ているのは、年金をきちんと受け取っている方、ですから65歳以上の方じゃないですか。 あとはダイレクトの効果としては直前販売って言うんですかね、そういったので集客効果を上げることがうまく出来ているんじゃないかと思います。
かなりデータの方は活用していただいていますよね?
部長 : データの活用が一番多いところっていうのは、予約かな。予約と、フロントなんかもそうですよね。あともちろん販売促進課、この3つの課が中心だと思いますよね。その中でも一番の取りまとめをしなくちゃいけないのが、やっぱり予約なんですよね。ですから予約っていうのは我々の会社の中ではCPUですからね。あそこに対して、例えば客室係りとかから「もうちょっとこういう風にやってくれないか?」といったような、いろんな要望が非常に多いわけですよ。そういった要望というか、ニーズに応えるというのが予約なんですよね。その中で、自前で出来るものと、どうしても自前では出来ない部分はいつも信南さんにお願いしているというような形なんでね。ここへきて要望が少なくなってきたっていうのは、ある程度みんなが使い慣れてきて、いろんな意味で応用が利いてきたんじゃないかということだと思っています。
やはり我々の業界は、人を何人集客出来たからということではなくて、最終的にはどれだけの利益を確保出来るかっていう収益の部分になってしまうんですよね。ですから、イールドマネージメントっていうのが絶対必要な部分になってきちゃうんですよね。我々のようなリゾートホテルっていうのは、シティホテルさんと違って、まだ不特定な部分っていうのがいっぱいあるんですよね。料金単位が週末は高くて、平日と差がある、こういう商売をしているところってまずないですから。まさしくこれはお客様のニーズにあったというか、需要が多いんだからこういうときは料金を上げようと、需要が少ないときは残念だから、腕組んでいられないんだからやっぱり料金は下げなくちゃ、なんていうのが今後もずっと続くと思うんですよね。ですからその中で単純に、予約なんかもそうなんですけれども、「お部屋が空いているから取りました」っていうのは、今のうちのレベルから言うと本当に初期的な予約になってしまうんで、出来れば収益を重視したコントロールをしなくちゃいけないだろうと。
イールドマネージメントの中でよく言われているのが、収益分析っていう言葉があって、グループエバリュエーションっていう言葉があるんですね。それを、個人はちょっと難しいんですけれども、団体は一応去年から始めました。
実は3年前からですかね、我々もKPI(業績評価指標)というもので各月の資料を作っているんですね。これは去年1年間の累計のKPIの資料なんですが、これ全てみんなEscort*の方から絞り込んで出した資料なんです。これは主に銀行とか投資家の方に提出する資料なんですけれども、やっぱりこういうのを見ると、どういうものが今後、来年度、稼動を上げるために必要なんだというのが一目瞭然にわかりますよね。稼動を上げるための、これが要は一つの設備投資の基本にもなっていますよね。
質問 : 観光経済新聞とかを読んでいましても、投資をしたくてもなかなか、投資家さんなり銀行さんが「うん」って言ってくれないというのが非常に多いようですね。
部長 : そうですよね。でもやっぱりこういう我々の業界っていうのは、きちんと言うべきことは言って、投資家をいい意味で説得してですね、ただそれを説得するのにはきちんとした資料がないとだめですね。曖昧ではいけませんから。ですからイールドマネージメントっていうのがこれからどんどん、こういう業界でも出てくると思いますよ。
以前の稼働率判断ではなくなっていますね?
部長 : 一概に、稼動ではだめかもしれないですね。ですから1室あたりの売上というか連泊はやっぱ重要ですよね。もう今、館内消費も残念ながら相対的に落ち込んでいるんですよ。たぶん売店で1人のお客様が、以前は平均1,500円くらい使ってくれたのが、それが1,400円とか、あと飲料関係でも1人の人が今までビール1.5本くらい飲んでいたのが、1本くらいになったとか、非常にそういう部分で落ちていますよね。だからなんとか我々の生命線である1泊2食っていう料金をわずかでもいいから上げる方向に持っていかないと、利益は確保できないんじゃないかなと。
質問 : どうしてもコマが増えてきますと、出し渋るっていうこともありますよね。あと、他の旅館さんでお話をお聞きしたのは、リピーターさんが増えると売店の売上が落ちるとか…。
部長 : いくら品揃えを変えたとしても、そういう人から見たらそんなに変わってないですから、「また来るからいいや」ってことになるんで、リピーターさんも全部が全部いいわけじゃないんですよ。もう慣れちゃってね「前も来た時見たからいいよ」なんて言われてしまったり。常にこういうのは完璧っていうものはないですね。何かやると今度は違う所から必ず何か問題が出てきますから。
質問 : そこがやっぱり旅館さんの難しいところですよね。
部長 : そうですよね、ですから、それはやはり人から言われたことだと案外ピンとこないんですよ。ただ本当に基本なんですけれども、こういう一つのものを作り上げてくると、どっかわかりますよね。だからやっぱりデータっていうのは絶対必要ですね。こういうところにヒントが隠されていますから。さっきも営業の話が出ましたけれどもね、団体なんかもどこの都道府県から一番来ているんだということが明確にわかっているんですよ。ですから団体のセールスっていうのも地域に絞っちゃって、多いところを重点的に、ただし、そうは言ってもやはりそこだけっていうわけにはいかないんで、例えば年に何回かは遠方の方のセールスもする必要が出てきますけれどもね。魚のいないところに糸を垂らしたって、いつになったって、「今日も坊主だった」ってことになっちゃいますから。だからいそうなところにうまく餌を投げ入れれば入れ食いになりますからね。
*Escort : Conseilの旧バージョン
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