おもしろ実話
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弊社のホテル・旅館総合情報システム「ストーリーホテル・ストーリー旅館」をご利用いただいている施設様で本当にあった出来事を元に、実話シリーズとしてご紹介します。

第3回 複雑化する企画商品

支配人は毎月温泉街で行われる企画会議に出席するための準備を整えていた。準備をしながら次第に気持ちが重くなっていくのを感じていた。本来、この企画会議は温泉街を活性化するための検討を目的として開催されているのであるが、このところ、最近ある企画旅行で手配漏れがあっただの、旅行業者からクレームをもらっただのと本来の目的以前の問題が議題になっている。支配人の旅館では既にこの問題は解決していて、旅行業者の間でも手配ミスの無い旅館として好評を得ている。

支配人の旅館では、トップシーズンになると、200本以上の企画商品が常に動いている。ベテランの予約担当者でもとても覚えきれる数ではない。また、予約係は数ヶ月先の予約に対する企画商品を取り扱わなくてはならないので、季節の変わり目になると200本どころではない。さらに、ここ数年では旅行業者のほうも他社の企画商品と差をつけるためにさまざまな手配モノを付けてくるのである。例えば、「レディースプラン」には特製ワイン付きであるとか、10名様以上のご利用にはカラオケサービスといった具合だ。お客様は附帯サービスを期待して企画商品を選んでくる。旅館にとっては200本のうちの1企画商品に関わる手配事項かもしれないが、お客様にとってはそれがすべてである。 「レディースプラン」で特製ワインが出てこなければ、クレームになって当然だ。

それでは、他の旅館ではどのようにして手配事項を管理しているのか、企画会議の中ではこのような事例が上がっている。当日の手配書(部屋割り・来館者一覧)は専門の担当者が手書きで作成して丁寧に書いているように見えるが企画商品名が書き込まれるだけである。別の旅館ではコンピュータで表計算ソフトに手配書の基本項目が出力されるが手配モノに関しては手動で追加している。つまり、予約の企画扱いは管理されていても手配モノを手動で管理していては漏れが発生しても仕方が無い。

支配人の旅館では、まず予約の段階で、お客様や旅行業者の希望するご利用日に扱いのある企画商品が一覧され、その詳細情報(料金表、手配モノ、客室タイプ)をその場で確認できる。ここで設定されてない日に誤って企画予約を受けることを防いでいる。しかも詳細情報が確認できるので、お客様や旅行業者が見ているパンフレットや案内と同じ内容で受け答えが可能だ。予約係のデスクの上にはパンフレットや契約内容の書類は無く、すべてコンピュータに登録されている。当然、旅行業者名簿は電子化されていて、毎月差分を更新しているのでいつも最新の名簿情報を利用できているのである。さらに当日の手配書には、企画商品名と手配モノが自動で記載されてくる。手書きの部分はいっさい無いので人手による漏れは発生しない。しかもこの手配書は旅館ごとに専用機能としてカスタマイズしてくれているので、自分の旅館のオペレーションに合ったレイアウトと内容になっている。もちろん担当者が携帯しやすいように1枚に収まるように工夫されている。

支配人は同じ温泉街の旅館が手配漏れのない高水準のオペレーションに達し、他の温泉街では行われていないような街ぐるみの取り組みができるようになることを願っている。独自の企画だけを取り上げても個々のお客様に対するサービスに不手際があっては全て無意味になってしまうからである。そんなことを考えながら支配人は事務室から出て行った。

[ 活用されていた機能 ]
■企画商品登録機能。企画名、期間、請求書の明細、手配事項、客室タイプ、料金表が登録可能。
■専用手配書。各旅館専用にカスタマイズしています。最新予約情報からワンタッチで印刷可能。
■旅行業者名簿データ。1万法人2万拠点の名簿情報の電子化。毎月の差分更新でいつも最新名簿。

[ 活用のポイント ]
■企画商品を詳細まですべて登録。初回は大変ですが翌年から複写機能が使えます。
■予約係で書類との併用期間を経て現在では完全に電子化した。


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