おもしろ実話
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弊社のホテル・旅館総合情報システム「ストーリーホテル・ストーリー旅館」をご利用いただいている施設様で本当にあった出来事を元に、実話シリーズとしてご紹介します。

第5回 事務所のイライラ解消術

経理課長は今日もイライラしていた。チェックアウトが終わってからの作業が煩雑で、1枚の請求領収書が4名の経理担当者を回って完了するまでに相当な時間がかかるからだ。しかも収容1000名を超えるこの旅館では当然である。担当の女性たちは何食わぬ顔で、いつものこととばかりにマイペースで仕事を続けている。日次更新の時間になると事務所の中は緊張感が最高潮に達し、やがて予約担当次長が「一番電話の鳴る時間帯にコンピュータが止まったら仕事にならないじゃないか!」と怒鳴る。

コンピュータが止まっているのは故障ではなく、日次更新つまり「昼バッチ」という一括更新処理のことである。一般的にバックアップ処理を伴うことが多く、システム全体を停止して処理を実行するのである。当然その間はコンピュータを操作することができない。チェックアウトが終わった11時から12時ころに処理を行うことが多いため予約にとって午前中の予約の多い時間帯にコンピュータが使えなくなってしまうのだ。導入したコンピュータ屋は電話を受けながら直接コンピュータに登録しましょう。と言っておきながら自分のしくみで邪魔をしている。

また、経理の彼女たちはいったい何をしているのだろうか。実はレジロール(キャッシャの控え)との照合、売掛金担当者の対象売上科目の按分、クーポンに関する同様の処理、クレジットカードについても売上勘定を紐つけるのである。お客様は必ずしも請求明細単位で入金科目を分けてくるわけではないので、売上明細を売掛勘定に分けないと合わなくなる。単一仕訳の考え方である。そんな処理が終わると経理課長に報告されて締めが完了するのである。

ストーリーホテル旅館Escort*を導入してしばらくしてから事務所を覗いてみた。人数が少し減っているにもかかわらず以前のような慌しさもなく、笑顔で締めの業務を行っている。昼の時間をまたいで作業の様子を見ていたが、予約担当は電話を受けながらいつでもコンピュータに直接登録している。予約担当次長は腹も立てずに自分でも電話を受け、画面に表示されている業者の送客実績を眺めながら相手のご機嫌を取っている。この内容も改めて登録するのではなく、通常通りに予約登録の際に扱い業者を登録しておけば、直後からその旅行業者の実績として照会できるのである。同じ機能を使ってお客様同士の紹介、つまり口コミの情報も管理できる点が優れている。

経理の島はというと、以前のように1枚の請求領収書を売掛金やクーポンなど勘定科目に分ける作業は行われていない。複合仕訳の概念を取り入れると同時に、売掛金、クーポン、クレジットカードの明細は取り扱ったフロントマンが登録してくれるので、フロント会計の日計処理が完了すると、売掛金台帳、クーポン台帳、クレジットカード台帳が出来上がっている。さらに、最近増えている現金払いの手数料扱いを管理できる機能を導入したので手数料の送金漏れもほとんど無い。彼女たちは、売掛金台帳を元に回収の作業を拡大している。売掛金の単独請求書や複数利用分をまとめた合計請求書がワンタッチで出力できるようになったので、営業マンに持たせることによって回収の効率も向上してきた。

これらのおかげで、経理部門は人数を3/4に削減することに成功した。削減されたスタッフは、もっとお客様と直接接することのできる部署に異動していた。全体の人数を変えずに接客担当層を厚くすることができた。また、業務の内容が後処理的なものから実務レベルの内容になってきた。さらに数ヵ月後の事務所内の変化が楽しみである。
*Escort : Conseilの旧バージョン

[ 活用されていた機能 ]
■バッチ処理(日次更新処理)がありません。(バックアップは夜間自動処理です)
■フロント会計のチェックイン時の前受金処理、精算時の「売掛金」「クーポン」「カード」明細登録機能。
■売掛金台帳の自動登録。フロント会計で登録した内容で台帳生成。

[ 活用のポイント ]
■経理で行っていた売掛金登録をフロント会計の仕事にした。
■旅行業者などの送客法人・個人を正確に登録することによる自動履歴管理。


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